イギリス留学 ざっくり日記

大学院で社会開発を学んだ話

「貧困」の定義と測り方①「代表的な貧困指標」

今回は貧困や指標の定義を一部ご紹介します。

というのも、大学院で良く使われている定義を学び直して、今まで疑問だった「開発援助でどうやったら貧困をなくせるか」「どの貧困指標が良いのか」について答えが分かったからです。その答えは「定義に依る」。・・・つまりは、何を「開発」そして「貧困」とみなすかで使う指標は違う、ということでした。単純なのですがとても頭が整理されたので共有します。

まずなぜ私にとってこの学びが重要だったかの説明として、個人的な進学前の考えや進学後の気づきについて書きます。私が開発援助に興味を持ち始めた大学生の頃は、「貧困削減」が開発の目標であると考えていました。ただその後、事例を知ったり協力隊としていわゆる開発途上国で生活をしたりして、援助が貧困を悪化させる可能性や自分の貧困の定義が経済的な側面に偏っていることに気づきました。

そして大学院の授業で1949年のトルーマン大統領の就任演説で「開発途上国の低開発は解決すべき」と宣言したことが「開発」の概念に大きな影響を与えたと学んで、この宣言が暗に肯定している「近代化」の良さを私も信じていたのだと気づきました。また、1950年代に経済発展を目的として始まった開発援助が、その後状況に応じて概念も測り方も変わり続けていることも知りました。そしてどの指標を重視するかで、自分や他の人(又は組織)の信じる価値観を分かるようになったのでした。

それでは特に頭の整理に役に立ったまとめを2つ共有します。

1つめは「国際協力用語集 第4版」*1 に掲載されていたのですが、貧困指標の代表的な手法として以下5つが掲載されていました。

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この代表的な指標のまとめは、文献に色々な指標が出てきて頭が混乱したときに見直したりしていました。次のページでもう一つ役立ったまとめを紹介します。

*1:『国際協力用語集』、佐藤 寛 (監修), 国際開発学会 (編集)
国際協力用語集【第4版】 - 国際開発ジャーナル社 International Development Journal