イギリス留学 ざっくり日記

大学院で社会開発を学んだ話

2020-01-01から1年間の記事一覧

人生を「自分の基準」で測ること②(漫画「雲の上のキスケさん」が教えてくれたこと)

前の記事に続いて、人生を「自分の基準」で測ることの大切さで思い出したもう一つの作品、漫画「雲の上のキスケさん」(著者:鴨居 まさねさん)について書きます。 この作品は「恋愛漫画」に分類されると思います。もちろん主人公の「まゆこ」と「キスケさ…

人生を「自分の基準」で測ること①(ミュージカル「レント」が教えてくれたこと)

今回は大学院での学びが日常生活と繋がったこと、そしてそれにまつわる作品について書きます。というのも、どの価値基準を使うかで評価が違うという授業からの学びは、人生にも当てはまるなと実感したためです。 「概要」の授業で、貧困の測り方が時代によっ…

Academicな言葉たち

今回はAcademicな(学術的な)単語をいくつか紹介します。私が学術英語やその分野のキーワードを知らな過ぎた面もありますが、授業ではなじみのない単語がよく使われ、所変われば言葉が変わるのだなと面白かったです。以下は特に講義やディスカッション中に…

大学院の授業の流れ

今回はイギリスの大学院の1年間の授業の流れについて書きます。私も疑問だったし他の人からも質問があったのが、「授業ってどれくらいあるの?」「どんな感じで進むの?」というものでした。私が所属したコースだけのお話しにはなりますが、少しお伝えしたい…

力関係について

今回は大学院で学んだ力関係を認識する大切さについて書きます。 私はなぜ自分がこんなにも開発援助に興味を持っているのかこれまで疑問に思っていました。なぜなら私は消極的な方で、ニュースなどで報道される国内外の社会課題で関心があれば自分で調べたり…

Critical thinking, unpackについて

今回は’Critical thinking’について書きます。Criticalに物事を考えよ、というのは授業が始まってからよく先生に言われていました。日本語では「批判的思考」と訳されることが多いですが、ジーニアス英和大辞典では「批評的思考」と訳され「十分な調査・知識…

「本当」の参加型ワークショップとは② 参加者編

前回の記事(ファシリテーター編)に続き、ワークショップの参加者から学んだことを書きます。 私はこのワークショップ参加者の中では、自分が英語力も開発に関する知識も他の人より劣っていると考えていたため、このワークショップはどちらかというと弱い立…

「本当」の参加型ワークショップとは①ファシリテーター編

今回はParticipatory Workshop(参加型ワークショップ)に参加して得た気付きについて書きます。 大学院で授業とは別に、自由参加の週末1日のワークショップが各学期に2~3回開催されていました。ファシリテーターは世界的に有名な、参加型開発についてたくさ…

「教育」の目的

今回は春学期に受講した「教育」の授業で学んだことを紹介します。主に教育と争いの関係を様々な角度から勉強したのですが、特にこの授業を通して教育の価値や効果を無条件に肯定しがちな自分に気づくことが出来たのはとても貴重でした。そして心に残ったの…

開発へのCriticalな視点②

前回の記事に続いて、授業で紹介された近代社会をどう捉えているかの分類4つを紹介します。*1 1. ‘Everything is awesome!’ ‘space singularly affirmed modernity’s shine, grounding humanity in the advancements in science and technology achieved wi…

開発へのCriticalな視点①

今回はcritical thinking(批判的思考)ってこんな風に考えるんだなあ、と印象的だった授業について書きます。 それは秋学期、大学院に入学して最初に受けた「理論」の授業でした。第一回目だったので、まず授業の大まかな流れを説明した後、先生は大学院で…

良い援助とは何か例えてみた話

今回は良い援助とは何かについて考えたことを紹介します。援助で何が重要かを理解するために、援助を「ご飯」に例えて考えてみたのですが、自分にとっては腑に落ちる部分があったので紹介します。 まず何故この変な例えを考えるに至ったかを説明しますと、一…

開発・社会開発の基礎を学べた本

今回は開発と社会開発の基礎を学べた本を3冊ご紹介します。 私は大学院で勉強をして改めて、自分の基礎知識不足を痛感しました。大学院での必須文献は中級レベルで、歴史的背景や関連情報について知らないと少ししか理解できなかったからです。そのためまず…

「社会開発」の定義

今回は「社会開発」とは何かについて書きます。友達に「『社会開発』って何?『開発』と違うの?」とよく聞かれたのですが、学ぶ前は私もよくわかっていませんでした。今はざっくりした解釈として「開発って経済的な発展のことだけじゃないよね!社会的なこ…

人権についての考え方②(子どもの権利について)

前回の記事に書いた人権の議論に続いて、2つ目の議論である子どもの権利について書きます。 世界人権宣言の考えを子どもに当てはめたものが1989年の国連総会で採択された’Convention on the Rights of the Child’(UNHCR)、「子どもの権利に関する条約」で…

人権についての考え方①(普遍主義と文化相対主義)

今回は春に受講した「子ども」についての授業で学んだ、人権について紹介します。 この学びが印象的だったのは私が社会課題を解決すべきと憤る時、「なんてひどい!これは人権を侵害しているのでは!?」と考える傾向にあったからです。でもじゃあ人権って何…

DecolonizationとAlternatives(開発に代わるもの)について

今回はDecolonizationとAlternatives(開発に代わるもの)について書きます。授業ではDecolonizationと開発について話されることが多く、この議論から開発と近代について理解を深めることが出来ましたので紹介します。 Decolonizationとは辞書*1によると「脱…

「貧困」の定義と測り方②「貧困をめぐる議論の側面」

前回の記事で紹介した「代表的な貧困指標」は定量的なものが多い感じがしますが、もう一つ「貧困を巡る議論の側面」9つを紹介します。これは大学院の「理論」の授業でおすすめされていた本*1 に載っていました。 ◆貧困をめぐる議論の側面 これはMaxwellさん…

「貧困」の定義と測り方①「代表的な貧困指標」

今回は貧困や指標の定義を一部ご紹介します。 というのも、大学院で良く使われている定義を学び直して、今まで疑問だった「開発援助でどうやったら貧困をなくせるか」「どの貧困指標が良いのか」について答えが分かったからです。その答えは「定義に依る」。…

開発援助が暗に意味するものや留意点

今回は、前の記事の定義に続いて、開発援助が暗に意味するもの、その留意点について書きます。この内容は主に書籍「開発援助の社会学」から引用、そして参考にしています。*1 まず開発援助は暗黙のうちに近代化を肯定しています。では近代化とは何なのか?こ…

「開発」そして「援助」とは何か

今回は開発の定義について書きます。というのも、進学前の私は「開発」とは何かが分からなくなっていたからです。それまで私は、開発とは主に経済発展であり、開発援助とは「途上国(と呼ばれる国)が発展するために行う支援」という考えを持っていました。…

協力隊時代の勘違い②(反省点~次への対策)

前回の記事の続きとなりますが、今回は協力隊時代に派遣されていた学校に奨学金制度を紹介した後、私が反省したことを書きます。 1.一番の反省点振り返って、一番の反省点は、私に「援助者」の覚悟がなかったことだと気づきました。援助において透明性を確…

協力隊時代の勘違い①(きっかけ~結果)

今回は「開発援助」をどう捉えたら良いのか、重要な気づきを得た協力隊時代の経験を書きます。簡単にいうと大きな勘違いをして落ち込んでいただけなのですが、そこから「開発」についてより包括的に学びたいと思うようになり大学院進学へと繋がりました。 誤…

大学院進学のきっかけ・コース選択の理由など

今回は私が大学院に行くと決めたプロセスについて書きます。例えば、なぜ開発援助に興味を持ったのか?進学をいつ決めたのか?専攻をどうやって選んだか?などです。私の決定プロセスは一直線ではないのですが、迷っている方の参考になれば嬉しいです。 1.…

はじめに(ブログの目的など)

まず初めに、このブログの目的や自己紹介などについて書きたいと思います。 1.ブログの目的このブログは、進学前に自分が知りたかったことを共有するために書いています。「イギリス」の「大学院」で「開発学」を学ぶ、ということに長年興味を持っていたの…